眼科ドック

人間は、感覚の約80%を視覚(目からの情報)に頼って生活しています。視力が失われることは、生活や人生を大きく変えてしまいかねません。

目の病気には症状が進行しないと自覚症状が現れないことがあります。特に失明原因1位の緑内障は、初期にはまったく自覚症状がありません。
会社などで行う健康診断や、現在の人間ドックでは、専門的的な眼の検査はほとんどありません。

眼科ドックでは、普段の生活では異常が見つかりにくい目の病気を早めに発見し治療する為の総合的な目の検査です。
白内障・緑内障・加齢黄斑変性・網膜裂孔・ドライアイなどの診断が1度の受診で行えます。
末永く健康な眼で過ごすためには必須の検査であると当院では考えております。

下記に該当する方は特に実施をお勧めしています。

  • 40歳以上の方
  • 近視が強い方
  • 血縁者に緑内障の方がいる
  • 糖尿病や高血圧の方

コースの種類と内容

検査項目検査内容レギュラープレミアム
問診問診票に現在の症状や気になる点をご記入ください。
他覚的屈折検査機器を用いて近視・遠視・乱視、角膜表面のカーブを測定します。
自覚的屈折検査遠方(5m)と近方(30cm)の見え方を検査します。
眼鏡視力検査普段使用している眼鏡やコンタクトレンズで、視力を測定します。
眼圧目の硬さ、圧力の測定をします。
角膜形状解析角膜のゆがみ(乱視)の状態を短時間で詳細に検査します。
角膜内皮細胞検査角膜の内皮細胞を撮影して、その数・大きさ・形を調べます。
広角眼底撮影眼の奥の中心部分(視神経乳頭、黄斑部)から周辺部網膜の広範囲にわたっての撮影をします。
三次元眼底解析検査
(OCT)
赤外線で眼の中の断層撮影を行い、網膜の厚みなどを撮影します。黄斑疾患、緑内障の診断が可能です。
視野検査目を動かさなくても見える範囲を検査します。
(主に緑内障の診断に必要な検査です)
涙液層破壊時間(BUT)検査涙液が角膜表面から乾燥する時間を測定し涙液の安定性を評価します。
シルマー検査ドライアイの検査で、涙の量を調べます。
ドライアイ検査専用の機器で涙液中の油層の状態や涙液量の測定、瞬きの程度や質を評価します。
細隙灯顕微鏡検査
(医師による診察)
前眼部(結膜・角膜)、前房、水晶体、硝子体などを検査・診察します。
  • ※完全予約制になります。ご希望される場合は必ずお電話でご予約ください。
  • ※所要時間は目安としてレギュラー30分~1時間、プレミアムは1~2時間です。
    外来の混雑状況により、時間がかかる場合もあります。
  • ※プレミアムの眼底検査は、原則的に散瞳(瞳を拡げるお薬を点眼)して行います。ご自身での車での来院はできません。
  • ※眼鏡・コンタクト・お薬処方は検診内に含まれておりません。同日希望される場合は自費となります
  • ※万が一、緊急を要する症状が見つかった場合は、散瞳(瞳を開く目薬をします)し、より詳しい検査を行う場合があります。
  • ※検査当日、その場で緊急性の高い異常が発見された場合は、別途その日に保険適用で検査や治療を行う場合もありますので、保険証をご持参ください。
  • ※結果用紙は後日郵送となります。

当院ではドライアイに特化した「ドライアイ検診」も行っています。

ドライアイ検診

眼科ドック費用

眼科ドックは自由診療となります。

レギュラーコース8,000円(税込)
プレミアムコース20,000円(税込)

※クレジットカード(VISA・Master・JCB・AMEX)のご利用が可能です。

抗加齢医学会専門医の立場から

2019年9月15日現在、65歳以上の高齢者の人口が推計で前年比32万人増の3588万人となり、総人口に占める割合が28.4%にのぼることが総務省が発表した人口推計でわかりました。いずれも過去最高でした。
昨年の高齢者の就業者数は15年連続増加の862万人で、就業者総数に占める割合も12.9%と過去最高となりました。総務省が発表した資料によると、男女別の高齢者数(2019年9月15日現在)は、女性が2028万人(女性人口の31.3%)、男性は1560万人(男性人口の25.4%)でした。日本の高齢者人口の割合は世界でも最も高く、2位のイタリア(23.0%)を大きく上回っています。

高齢者人口及び割合の推移(1950年~2040年)
「高齢者人口及び割合の推移
(1950年~2040年)」
引用元:総務省統計局HP

このデータからもわかるように、日本は人生100年時代ともいわれる超高齢化社会を迎えます。
人間は感覚の約80%を視覚(目からの情報)に頼って生活していると言われ、目の健康を保つことは皆様の健康寿命を維持することにつながると強く感じております。

健康寿命とは、「心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」のことを指します。2000年にWHO(世界保健機関)が提唱して以来、「寿命を延ばす」という従来の指標に加え、「健康でいられる期間を延ばす」という健康寿命の指標が重要視されるようになっています。

健康寿命とよく比較されるのが「平均寿命」です。平均寿命とは、0歳のときに何歳まで生きられるかを統計的に予測した平均余命のこと。前述した健康寿命との違いは、日常生活に制限のある"健康ではない期間"となります。

厚生労働省が2018年に発表した資料によると、男性の平均寿命は80.21歳、健康寿命は71.19歳となっており、約9年の開きがあることがわかります。さらに、女性の平均寿命は86.61歳、健康寿命は74.21歳と男性以上に大きな差が生じています。

(抗加齢医学会専門医:丸山 登士)